短鎖脂肪酸と食物繊維
一般常識になりつつあるこれらのキーワードのなかに、「短鎖脂肪酸(タンサシボウサン)」という単語もまた注目されるようになってきました。
短鎖脂肪酸は全く新しい発想や成分ではありません。腸内環境や食品に関わるもので、それらに関わる体のメカニズムを研究によってさらに細分化、追求していったものです。
調べていくと、この成分もまた体作りにとても重要な役割を担っていることがわかります。短鎖脂肪酸について詳しく考えていくと、さらに一歩踏み込んだ食事選びや生活スタイルを確立していくことが期待されます。
また、本記事では短鎖脂肪酸の仕組みと食物繊維との関係についても紹介します。
本記事を読むことが、日々を彩る健康的な食生活の新しい選択肢となれば幸いです。
目次
1.短鎖脂肪酸とは
2.食物繊維との関係は?
3.水溶性食物繊維を選ぶ理由
1.短鎖脂肪酸とは
●短鎖脂肪酸とは
短鎖脂肪酸とは、脂肪酸と呼ばれる有機酸の一つです。炭素と言う元素が鎖状に連なる構造を持っていて、その炭素の数が6個以下の脂肪酸を短鎖脂肪酸と呼びます。
短鎖脂肪酸には、腸内細菌が作る「酪酸」「プロピオン酸」「酢酸」の3つの有機酸があり、腸上皮細胞の増殖、蠕動運動促進、水・ナトリウムの吸収促進、大腸のエネルギー源などとしての重要な役割を持っています。
短鎖脂肪酸は、難消化性炭水化物を腸内細菌が分解することで生産される物質で、人間の持つ消化酵素の消化と腸内細菌によって分解されます。しかし、同じ炭水化物には、消化酵素で比較的簡単に消化・吸収することが出来る「易消化性炭水化物」とそのままでは簡単に消化できない難消化性炭水化物があります。
前述の3つの有機酸は、それぞれに重要な働きを持っており、また、それらのもととなる食品も異なってきます。
例えば、酪酸はバターの香りのもとになっています。酢酸は一般的なお酢。プロピオン酸はブルーチーズなどのような酸っぱい香りのもとです。
これらの有機酸は、腸における重要なエネルギー源や抗炎症作用などの優れた生理効果を発揮する反面、吸収性・臭い・味などの観点から気軽に摂取することは困難とされています。
しかしながら、この短鎖脂肪酸は水溶性食物繊維などを腸内細菌の餌として与え、発酵させることで体内で生成させることができます。
短鎖脂肪酸の中でも生理効果が高く期待されている酪酸においては、「グアーガム酵素分解物」「難消化性デキストリン」「ポリデキストロース」などの水溶性食物繊維から産生することが可能とされています。中でもグアーガム酵素分解物は、腸内発酵による分解率がほぼ100%とのデータが出ており、より有効な生理効果を得られる可能性を持っています。
●短鎖脂肪酸の主な働き
短鎖脂肪酸の主な働きは現在は以下の5つと考えられています。
・腸上皮細胞の増殖
・腸の蠕動運動の促進
・大腸のエネルギー源
・粘液の分泌
・水、ナトリウムの吸収促進
これらの生理効果はラットの研究からも判明しており、短鎖脂肪酸の原料となる食物繊維を含まない飼料を与えたラット、原料を含む飼料を与えたラットでは異なる結果が認められました。また、腸内細菌を持たない無菌のラットでも異なる結果になりました。
こうしたラットに短鎖脂肪酸を与えることで、腸内の上皮細胞の増殖が正常値に回復し、分解酵素を持つラットでは難消化性炭水化物を分解して短鎖脂肪酸を産生し、そのことで腸管上皮細胞の新陳代謝を向上させていることが判明しました。善玉菌が優勢になり、腸内環境がバランス良く保たれ健康的な腸内環境に向かうことが読み取れます。
また、粘液の分泌量が増えることもわかっています。短鎖脂肪酸によって便が形成される上で必要な大量の水分やナトリウムの吸収率が上がり、粘液の分泌に還元されています。
粘液の分泌が正常に増えると、腸の中の便と腸管壁との接触がスムーズになります。粘液が便をコーティングするようなイメージです。便の形成・排出をスムーズに行うだけではなく、このコーティングによって腸管壁のバリアの役割も担っています。このバリアのおかげで、便に含まれる細菌が直腸から感染することを防いでいます。しかし、短鎖脂肪酸が不足している、またはその原料となる食物繊維が不足していると、本来バリアとなる粘液が分泌されずに感染の可能性を高めてしまいます。また、軟便や便秘、下痢になってしまう場合もあり、腸管壁に接触する割合が高まり、結果的に免疫力が低下する恐れがあります。
さらに歴史から紐解いていくと短鎖脂肪酸の有用性がより理解できます。
戦時中、飢餓状態の人に下痢の症状が良く見られたようです。当時は腸内細菌の餌、もとい短鎖脂肪酸の原料が不足し、食物繊維を充足に摂取できなかったために短鎖脂肪酸が産生できず、腸内における水分の吸収がうまくできなかった。このような要因から下痢、または免疫低下による罹患が散見されたと考えられます。
●どのように短鎖脂肪酸が不足しているか判別するのか
まず目安となるのが便の臭いです。
便とはそもそも、吸収しきれなかった栄養素や不必要だったもの、また老廃物などによってできています。
腸内細菌は食物繊維などを餌にしてバランスを整え、便を形成していきます。しかし、腸内細菌の餌は上記のみではありません。食物繊維などの難消化性炭水化物などの餌が不足していると、今度は腸管上皮細胞のかけらや尿素、腸管内の細菌自体を餌にします。この時分解されて発生した、アンモニア・硫化水素・インドール・スカトール・イソ吉草酸などが便に含まれて排泄されます。
健康な便でも多少の臭いはありますが、偏った食生活や生活リズムによって異臭のような臭いを放つことがあります。例えば、卵の腐敗臭のようなもの・おしっこが腐敗したようなもの・大量の汗からくる、もしくは足の臭いをきつくしたようなものなどです。
このような臭いを便から感じるときは、短鎖脂肪酸が不足している。食生活が偏っている。生活リズムが不安定で腸内環境のバランスが取れていない。などの外的要因を考えることができます。
個々人の体の性質や栄養素の吸収性、腸内の機能性が微妙なバランスでありますので、普段の食生活などから少しづつ調整し、日々の便の状態を良く確認することを心掛けると良いでしょう。
腸内環境、腸内フローラを形成しているのは短鎖脂肪酸だけではありませんが、こうして一部に着眼点を置くことで網羅的に自分の健康状態を観察することができます。
2.食物繊維との関係は?
これらの事柄から短鎖脂肪酸を産生することがとても有効だと分かります。
では、どのようにして短鎖脂肪酸を増やしていくのが効果的なのでしょうか。前述した酪酸に注目してその方法を紹介します。
酪酸の有効性は単純な生理効果だけではありません。
まず、3種の短鎖脂肪酸の中でも酪酸の腸管上皮の増殖作用は最も強いです。抗炎症作用もさることながら、酪酸自体の性質が特徴的なことも有効な点として挙げられます。
酪酸菌は芽胞を形成するのが特徴です。芽胞とは酪酸菌を覆う殻のようなもので、光や温度、酸性やアルカリ性などの極端な環境においても変質しにくくなる効果を持っています。芽胞を持たない菌では、光など環境変化に対する保存が難しい場合もあります。こうした特性を持つ上で、さまざまな病原菌に対する抗菌作用や整腸が期待され注目されています。
これらの短鎖脂肪酸は、グアーガム酵素分解物などのような水溶性食物繊維などが原料になります。また、豆類などの不溶性食物繊維も必須です。このような2種類の食物繊維をバランスよく摂取し、消化器官にとってスムーズに分解しやすいように時間をかけて取り込む必要があります。
食物繊維のみならず、プロバイオティクスの摂取も有効です。つまり生きた菌を取り込むというもので、ヨーグルトや乳製品などにも記載されているようなビフィズス菌・乳酸菌・酪酸菌などが代表的な例です。
食物繊維を積極的に食事に取り入れ腸内で短鎖脂肪酸を産生し、ヨーグルトなど簡易に外部から取れる菌も有効活用するとより効率的に腸内環境を正常化することができるでしょう。
3.水溶性食物繊維を選ぶ理由
腸内環境の正常化や短鎖脂肪酸の産生に大きく貢献するものが食物繊維であることがわかりました。しかし、いざ食物繊維を日常的に取り入れるとなると以下のような課題が見えてくることは明らかです。
2020年の厚生労働省策定「日本人の食事摂取基準」による一日に必要な食物繊維は、成人女性平均で18g以上とされています。しかしながら、現在の食習慣では一日中あたり4〜6g程度不足しています。
試しに一日に必要な食物繊維を身近な野菜で考えてみましょう。
よく代表される野菜はレタスですが、今回は通年購入できてより身近なキャベツで考えてみます。ちなみにレタスはそもそも食物繊維が少ない野菜です。また、一般的な家庭料理ではレタスの消費が難しい面もあります。
キャベツのみで必要食物繊維を摂取する場合、生の状態のキャベツを約1kg 食べる必要があります。大体一玉に相当する量です。
常備野菜や豆類だけで補うことは経済的に難しい上、日々の彩りが失われてしまいます。
多くのメディアや学会でその必要性が掲げられているのにも関わらず、その方法自体が難しい限り健康へのハードルが一段上がったように感じてしまいます。
しかし、現代においてサプリなどの健康補助食品が簡単な手法になってきました。サプリなどを取り入れる上でネックだった食品添加物や保存料のリスクも日一日と改善されています。
例えば今回取り上げたい「ホップ」のサプリでは、原材料のホップの成形にアメコウジが使用されています。アメコウジのみで成形されているので添加物は含まれません。また、有効成分の溶解、吸収性を3倍にすることにも成功しています。
当該のememariというサプリは水溶性食物繊維がメインになっていますので、普段の食生活ではそのポイントだけ選択の余裕が出てくるでしょう。
添加物が含まれている製品も散見されますが、技術と研究が研鑽されていくにつれて、私たちの健康の役割を一部担ってくれるようになってきています。
もしも実生活では補いきれない部分が出てきたときは、こうした選択肢があることを思い出してみてください。
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