ホップの機能性

ホップはビールの風味だけでなく
防腐作用の役目も

ホップの名前をビールのCM以外で耳にすることはほとんどないかもしれません。ホップの代名詞とも言えるビールの歴史は古く、人類最初の文明と言われるシュメール文明時代の粘土板にもビール作りの様子が描かれています。中世になると、ヨーロッパでは栄養補給や医療にも利用され、知識人であった修道士や僧侶たちによって、複数のハーブを配合した香味剤である「グルート」を使った上質なビールがつくられるようになりました。このグルートに用いるハーブの中でも、ホップを使用した場合に品質が飛躍的に向上することが次第にわかり、これが世界中に広まったと言われています。

現代のクラフトビールブームで人気の「IPA(インディア・ペール・エール)」は、ホップを大量に使用して醸造されたビールの総称。イギリスがインドの植民地化を進めていた18世紀末頃、インドまでの海上輸送中に傷まないようホップを通常の何倍にも使用してビールを醸造し、本国から遠い海の彼方まで無事に送り届けたことが名前の由来で、ホップの防腐作用を証明しています。ホップ毬花に含まれる成分はキサントフモールやフムロン、8-プレニルナリンゲニンなどの有効成分で、有用な生理機能を期待できる成分です。

ホップ毬花の機能性

新生物、神経疾患、ウイルスおよび細菌感染症など慢性疾患における薬理学的活性のために、医学界では生物活性天然化合物に多大な関心が集まっています。さまざまな天然化合物の中でホップ毬花は、その潜在的な生物活性効果で多大な注目を集めています。たとえば、抗炎症、抗菌、抗酸化、免疫調節、抗ウイルス、抗真菌、抗原毒性、抗血管新生、抗マラリア、抗癌効果など。自然界でプレニル化またはプレニル化されたフラボノイドである多様な生物活性フェノール化合物がホップの毬花に存在します。

主な有効成分はキサントフモールやフムロン、8-プレニルナリンゲニンで、どれも生理機能を期待できる成分です。なかでもキサントフモールはビール業界でその香りと苦味を高めるために使用される成分で、人類最初の文明と言われるシュメール文明時代から愛飲されていたビールは、中世になると栄養補給や医療にも利用され、ヨーロッパでは知識人であった修道士や僧侶たちによって、複数のハーブを配合した上質なビールがつくられるようになりました。なかでもホップを使用した場合に品質が飛躍的に向上することが次第にわかり、これが世界中に広まります。現代のクラフトビールブームで人気の「IPA(インディア・ペール・エール)」は、ホップを大量に使用して醸造されたビールの総称。イギリスがインドの植民地化を進めていた18世紀末頃、インドまでの海上輸送中に傷まないようホップを通常の何倍も使用することで本国から遠い海の彼方まで無事に送り届けました。このビールの名前と歴史がホップの抗菌・抗酸化作用を証明しています。

イソキサントフモール、6-プレニルナリンゲニン、8-プレニルナリンゲニンなどのプレニル化フラボノイドはキサントフモールの異性体であり、強力な抗炎症、抗腫瘍、抗糖尿病、エストロゲン、抗ウイルス、および抗菌活性を持っています。その有利な薬理学的特性は1990年代まであまり重要視にされていませんでした。ホップから得られたプレニル化フラボノイドは、新生物、骨粗鬆症、閉経後のほてり、消化器系の問題、神経痛、歯痛、緊張型頭痛、耳痛など、多くの病気に対する種々の生物活性持っていると言われ、2007年に、欧州医薬品庁のハーブ医薬品委員会は、不眠症と精神的ストレスの症状の穏やかな治療のための従来の薬でのキサントフモールの使用を報告しました。さらに、ホップによる睡眠障害、不安、およびその他のいくつかの疾患の治療は、ドイツの委員会および植物療法に関する欧州科学協同組合によって承認されています。

参考文献:Harish V, Haque E, Śmiech M, Taniguchi H, Jamieson S, Tewari D, Bishayee A. Xanthohumol for Human Malignancies: Chemistry, Pharmacokinetics and Molecular Targets. Int J Mol Sci. 2021 Apr 25;22(9):4478. doi: 10.3390/ijms22094478. PMID: 33923053; PMCID: PMC8123270.

研究報告
機能性論文